長崎・佐賀の会社設立なら地域密着のかわはら行政書士事務所

子会社設立

建設業許可概要

建設業許可から見る個人事業主が経営上不利な点

個人事業は、経営上の観点から見れば本質的に不利な点が多いため、一刻も早く法人への組織変更を行うことをお勧め致します。個人事業主が不利な点は、以下の通りです

  1. 個人事業主に与えられた建設業許可は本人限りなので、後継者に継承できない。後継者が事業承継するためには、改めて新規の許可申請をしなければならない。法人であれば、許可要件を満たしている限り継続できる
  2. 個人事業主が行った営業用事務所などの賃貸借契約は、個人事業主の死亡によって消滅し、後継者が自動的に継続することにならない。法人であれば、代表者の変更を通知するだけで契約が継続す
  3. 個人の所得税は累進課税なので所得が増えるほど税額も大きくなるが、法人の場合は一定税率となる
  4. 個人事業は金銭的な信用度が低いため、大規模な建設業者は取引に応じてくれない。同じく、金融機関からの借り入れ条件が法人よりも不利になりやすい

  5. 現在の会社法は、資本金額が1円であっても、また、取締役が1人であっても株式会社の設立が可能となっています。法人への組織変更のハードルはきわめて低くなったと言えます
    ただし、建設業の許可を受け、維持していくためには次の点に注意が必要です。会社法の規定だけで判断しないように気を付けてください

  6. 建設業の許可要件のうち財産的基礎については、自己資本額が500万円以上となっているので、資本金額の設定に注意してください
  7. 1人取締役では、次期の経営管理者候補がいない状態になるので注意しましょう

建設業許可とは

建設工事の完成を請け負うことを営業するには、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条 に基づき建設業の許可を受けなければなりません。

ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。

*ここでいう「軽微な建設工事」とは、次の建設工事をいいます。

①建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
ⅰ「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
 ⅱ「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの
② 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

建設業許可の区分には、2種類あります

国土交通大臣許可

二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合

本店の所在地を所管する地方整備局長等が許可を行います

都道府県知事許可

一の都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合

営業所の所在地を管轄する都道府県知事が許可を行います

「営業所」とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を 締結する事務所をいいます。

また、これら以外であっても、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与する場合も、ここでいう営業所になります。

ただし、単に登記上本店とされているだけで、実際には建設業に関する営業を行わない店舗や、建設業とは無関係な支店、 営業所等は、ここでいう営業所には該当しません。

上記のとおり、大臣許可と知事許可の別は、営業所の所在地で区分されるものであり、営業し得る区域または建設工事を施工し得る区域に制限はありません。(→例えば、長崎県知事の業者であっても建設工事の施工は全国どこでも行うことが可能です。)

経営業務の管理責任者

経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること(法第7条第1号)

建設業の経営は他の 産業の経営とは著しく異なった特徴を有しているため、適正な建設業の経営を期待するためには、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が最低でも1人は必要であると判断され、この要件が定められたものです。

なお、具体的な要件は、以下のとおりです。

許可を受けようとする者が法人である場合には常勤の役員のうちの1人が、個人である場合には本人または支配人のうちの 1人が次のいずれかに該当することが必要であり、これらの者を経営業務の管理責任者といいます。

許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

許可を受けようとする建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位(使用者が法人である場合においては役員に次ぐ職制上の地位をいい、個人である場合においては本人に次ぐ地位をいう。)にあって、経営業務を補佐した経験を有しているこ。

*(参考)ここでいう法人の役員とは、次の者をいいます。
・株式会社又は有限会社の取締役
・委員会設等設置会社の執行役
・合名会社の社員
・合資会社の無限責任社員
・民法の規定により設立された社団法人、財団法人または協同組合、協業組合等の理事
経営業務の管理責任 者の設置は許可要件のため、例えば、許可を取得した後に経営業務の管理責任者が退職し、後任が不在となった場合は要件欠如で許可の取消し(建設業法第29 条第1項第1号)となります


このため、このような不在期間が生じないよう、あらかじめ上記要件を満たす者を選任するなど、事前に準備しておくことが必要です

かわはらメモ

役員であるもしくは役員であった確認は登記簿謄本で致します。また、役員であった時期に今後取得しようとする許可を取得していたことを確認するため許可書のコピーを提出します。

専任技術者

専任技術者の設置(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)

建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります

見積、入札、請負契約締結等の建設業 に関する営業は各営業所で行われることから、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者(専任技術者)を設置することが必要です。

この専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、また建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。

また、専任技術者は「営業所ごとに専任の者を設置」することとされていますので、その営業所に常勤していることが必要です。

なお、経営業務の管理責任者と同様、専任技術者の設置も許可要件の1つであるため、許可を取得した後に専任技術者 が不在となった場合は許可の取消しの対象等になるので、注意することが必要です。
(注)一般建設業と特定建設業では要件が異なります。

許可を受けて建設業を営もうとするすべての営業所には次に掲げる専任の技術者を置くことが必要です。

誠実性

請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかである場合は、 建設業を営むことができません。

これは、許可の対象となる法人若しくは個人についてはもちろんのこと、建設業の営業取引において重要な地位にある役員等についても同様にです。

財産的基礎等

(注)一般建設業と特定建設業では要件が異なります

建設工事を着手するに当たっては、資材の購入及び労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の準備資金が必要になります。また、営業活動を行うに当たってもある程度の資金を確保していることが必要です。

このため、建設業の許可が必要となる規模の工事を請け負うことができるだけの財産的基礎等を有していることを許可の要件としています。

さらに、特定建設業の許可を受けようとする場合は、この財産的基礎等の要件を一般建設業よりも加重しています。

これは、特定建設業者は多くの下請負人を使用して工事を施工することが一般的であること、特に健全な経営が要請されること、また、発注者から請負代金の支払いを受けていない場合であっても下請負人には工事の目的物の引渡しの申し出が なされてから50日以内に下請代金を支払う義務が課せられていること等の理由からです。

なお、一般建設業と特定建設業の財産的基礎等は、次のとおりです。
(注)一般建設業と特定建設業では要件が異なります。

《一般建設業》
次のいずれかに該 当すること
・自己資本が500万円以上であること
・500万円以上の資金調達能力を有すること
・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること。

《特定建設業》
次のすべてに該 当すること
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること

関係連絡先

届出様式は長崎県土木部監理課 建設業指導班のHPよりダウンロードすることができます。
長崎振興局 建設部管理課
TEL:095-844-2181

かわはらメモ

建設業許可は、個人で申請を行うには非常にハードルの高い申請で、建設業の許可は許認可申請の中でも取得が難しい許認可の一つと言われています。自分で取得するのは不可能ではありませんが、取得のための要件も複雑で、必要書類集めも自分でやると割が合わないくらい時間がかかりますし、自分でやってみて途中であきらめたという話もよく聞きます。
 ビジネスパートナーには、許認可申請の専門家であるかわはら事務所をご指名ください

トップへ戻る